リモートカレー会議第3辛映えとダイエットと
カレー愛
tsujicurry×Rin
文・トミモトリエ

トミモトリエ（以下、ト）　こんにちは〜！まずは自己紹介をお願いします。

tsujicurry（以下、ツ）　ツジです。えーと……ツジです。……自己紹介って何を言えばいいんだ？

ト　では、わたしから紹介しましょう。ツジやんは、関西カレーマニアの中でも、みんなに慕われる世話焼きお兄さん的な存在で、前回の記事に出てもらったカレーブロガーのTAKさんの相棒というか……裏方というか……とにかく、よく飲み会の幹事を任される人です。

ツ　確かにね。幹事はよくやらされるね（笑）

ト　ツジやんは顔出しNGなんですよね？

ツ　んー、あんまり職場にバレたくないだけなんだよね。営業の仕事してるから外回りのついでに色んなカレー屋に行けるんだけど、それを利用して、たまに行きたいカレー屋を中心に営業先選んだりしてるからさ（笑）

ト　なるほど。今後のカレー活動のために、顔は隠しておきましょう。で、今日ツジやんが選んだのは［SPICE CURRY 43］の「スパイスわっぱめし（瀬戸内檸檬）」ですよね。選んだ理由は？

ツ　まず、カレーをわっぱめしにするっていう発想が素晴らしい。で、見栄えはもちろん、カレーなのに冷めても美味しいっていうのが衝撃的で。カレーは絶対お店で食べた方が美味しいと思い込んでたけど、概念が変わったね。

ト　わかりますわかります。［SPICE CURRY 43］は、とにかくセンスがいいよね。お店の内装もめちゃくちゃ可愛いし、しっかり「映え」を意識してる。でも、見た目がいいだけじゃなくて、常に「他の店と違うことしよう」っていう試行錯誤がある。メニューもひねりとユーモアが効いてて面白いんですよね。

ツ　店主の夫婦2人で楽しんでやってる感じもいいよね。

ト　次はRinさん、自己紹介お願いします。

Rin（以下、リ）　Rinです。リンリンって呼ばれてます。猫とカレーが好きなスイーツ男子です（笑）。今日は［バガワーンカレー］の「永遠のバガ弁カレー」を買って来ました。

ト　RinさんのInstagramの投稿見たんですけど、昨日も食べてませんでした？

リ　そうですね。昨日も食べました。

ト　相当好きですよね（笑）。そして、今日着てるのバガワーンTシャツじゃないですか。

リ　そうです。個人的に［バガワーンカレー］にはすごく思い入れがあって。今日の「バガ弁」にも入ってる「鯖ビンダルー（R）」の（R）って、実は僕の頭文字なんです。

ト　そうだったんですか！？

リ　僕がアイデアを出したというか……店主の馬越さんに「ポークビンダルー^※を、鯖で作ったら面白いんじゃないですか？」って提案したら、本当にメニューになって。メニュー名に（R）を入れてくれたんです。

ト　鯖ビンダルーを食べられるのはRinさんのおかげなのかー！前から「この（R）ってなんなん？」って思ってたんですよ。そして、わたしが食べているのは［ソラトブカオリ］のカレーです。［ソラトブカリー］名義でやってた間借り営業時代も十分に美味しかったけど、実店舗オープンと同時に大革新したな……と。カレーはとうとうここまで進化したのか！！！って、のけぞったよ。

ツ　スパイスポタージュと組み合わせるとか、枠にとらわれない新しいスタイルを追求してるよね。店主のカオリさんはバイタリティがすごい。

ト　めちゃくちゃ手間のかかることをやっていて、料理単体でもすごい領域に達しているのに、お店の雰囲気作りとか、料理の出し方やメニューのデザインにしても、何一つ手を抜かないでしょ。お客さんをどうやって楽しませるかっていうのを常に考えている感じですよね。

リ　うんうん。

ト　もはや、食べ物の栄養価を超えたエネルギーを感じるんですよ。店に入って注文してから食べ終わって店を出た後も、ずっとハッピーな気持ちにさせてくれる。

ツ　［ガクヤバーガー］で間借り営業してた時のカレー定食も超ヤバかったね。仕込みの時間がかかって仕方がないって言ってたけど。

ト　仕込み時間といえば［バガワーンカレー］もヤバいですよね。

リ　馬越さん、今日は24時起きって言ってました（笑）

ト　平日は会社員として普通に働いて、土日は仕込みに時間かかるこんなカレー作ってるって、超人過ぎるでしょ！！

ツ　馬越さんは向上心と探求心がすごいよね。それなのに、謙虚でしょ。

リ　そうなんですよ。リスペクトしかないです。

ト　今日選んだ3店舗は、バイタリティとホスピタリティが半端ないですよね。

ト　2人がカレーにハマったのはいつから？

リ　僕は20年くらいカレーを食べ続けてるんですよ。でも、最初はスパイスカレーじゃなくて、［ココイチ（CoCo壱番屋）］ばっかり食べてました。きっかけは、イチローが「毎朝カレーを食べてる」って聞いて「じゃ、僕も毎日カレー食べよう」って（笑）

ト　キャリア長い！確かにイチローの朝カレーは有名ですね。

リ　スパイスカレーにハマったのは10年くらい前です。関大前にある［タンダーパニー］のカレーを食べてすごく感動したのを覚えてますね。

ツ　僕は日付も覚えています。2012年の2月1日に初めて食べたのが［カルータラ］。でも僕の場合、カレーそのものにハマったというより、SNSのネタとして選んだのがカレーだったんです。

ト　えっ、SNSの投稿ありきだった！？

ツ　そう。当時Facebookが流行って、毎日ラーメンをアップしたり、から揚げをアップしたりする人がいて、自分も何かに特化した投稿をしよう……と選んだのがカレー。気付いたら自然にやり過ぎていて、カレー中心の生活になっていた（笑）

ト　2人共どれくらいのペースで食べてます？

ツ週6〜7食くらいかな？基本ランチのみで夜はたまに。連食とかはしないね。

リ　僕は週8食くらいですね。僕も連食はしないです。夜は、水曜と木曜は［ニッポンカリー オルタナ。］、金曜と土曜は［bar 土器（kawarake）］が夜営業してるから、曜日によって仕事帰りに寄っててます。

ト　私は、昨年の年間目標が「200店舗以上、違うカレーを250食以上」だったんですが、結果として278食達成。仕事が忙しくてランチに行けないこともよくあるので、本気で頑張らないとみんなに追いつけない。って、数を競うものではないんだけど。

リ　僕も最初は色んなお店に行ってだけど、その時期はもう過ぎて、今は本当に好きなお店に集中して行ってますね。一番多く行ってるのは［シナジー］かな？最近はコロナの影響であまりお店に行けないから、自分でカレーを作ってお弁当にしたりしてました。

ツ　僕は［アアベルカレー］が一番好きで、できれば週1で通いたい。でも、新店舗もできるだけ応援したいから……もはや自分では抱えきれなくなってる。分身が欲しい（笑）。Instagramの投稿も追いついてなくて、未投稿のカレーが110食分くらいあるんだよね。

ト　あるある。私もためまくったの年末に一気に投稿したりしてる。そして、連投し過ぎてフォロワーが減る（笑）。最近はコロナ自粛も重なってSNSが重荷になって、3ヶ月くらいまともに更新してないな……。

リ　ため込むとわかんなくなっちゃうから、なるべく食べたらすぐアップするようにしてます。特にSNS疲れも感じてないかも。

ト　SNSとの付き合いも人それぞれですね。ちなみに、ツジやんがInstagramのストーリーでカレー屋の臨時休業とか新店舗の情報まとめてくれてるのすっごく助かってるんだけど、いつもどうやって情報収集してるの？

ツ　基本TwitterとInstagramのオフィシャルアカウントチェックしたり、人からのリアルな情報をまとめてるだけだよ。ストーリーってあんまり反響ないからそんなに需要ないのかな？と思ってたけど、みんな見てるの？

ト　めっちゃ見てるし感謝してます！ランチタイムの前にとりあえずツジやんのストーリチェックするもん。

リ　うんうん。見てる見てる。

ト　SNSの投稿で気を付けてることとか、マイルールってある？

リ　写真の撮り方は気を付けてるかな。盛り付けが立体的だとそれがよく伝わるように低い位置から撮るとか、お皿が綺麗な丸型だったら上から撮るとか。でも上から撮ると自分の手が影になったりするから、なるべくそのカレーの良さが伝わる角度を考えて撮ってる。

ツ　ライティング問題はあるよね。僕はスマホで2台持ちして、ひとつのスマホでライトを照らして、もうひとつのスマホで写真を撮ってる。

ト　はたから見たら必死過ぎる（笑）。2人共Instagramはカレー専門アカウントって感じですよね？

リ　昔はカレーじゃないことも投稿してたけど、カレー以外の投稿はいいねがあまりつかなくて、自然とカレーばっかりの投稿になった感じ。

ツ　僕はカレー専用アカウントとして一度リセットしてるんだよね。Twitterはリツイートするだけ。もうね、言葉を使うとしんどいんですよ（笑）。良かれと思って書いたことで人を傷つけることってあるので。あと、僕はニュートラルな立場でいたいから、カレー屋さんと仲良くなってもそういうのは出さないようにしてるかな。

ト　へー。でも、カレー屋に存在は知られてるでしょ？顔出ししてないからバレないのかな？

ツ　カレー屋に行っても自分からは話しかけないようにしてる。けど、何度か通ってるうちに顔を覚えられて、名乗ると「あー！」って言われる。

ト　なるほど。私は見た目がわかりやすい上にプロフィールの会社名にインパクトがあるからか、初めて行く店でもよく声をかけられる。［バガワーンカレー］に初めて行った時も、馬越さんから「Instagramフォローしてます！株式会社人間って何の会社なんですか？」って言われたし（笑）

ツ　だろうね（笑）

ト　2人共カレーたくさん食べてるけど、ダイエットとか筋トレも頑張ってるよね。

ツ　今はコロナの影響で行けてないけど、ジムは週4回くらい通ってる。

リ　僕は昨年10月から「b-monster」っていう暗闇で大音量の音楽の中でトレーニングする格闘系フィットネスジムに通って、3ヶ月で10kg痩せたんです。1回45分セットで1000kcalくらい消費するハードなトレーニングなんですけど、月に30回くらい通ってます。

ト　すご！！！

リ　今はジムが休業中なので、ちょっと運動不足ですね。家でもスクワットとか腕立て伏せはしてるけど。僕は、カレーを食べ過ぎて太ったと思われたくないんですよ。

ト　わかります！！！私は、昨年「5kg太ってもいいから年間目標（200店舗、250食以上）を達成する」と決めて、遠出した時は数を稼ぐたために、昼・おやつ・夜と連食してたので、実際に5kg太ったんですよ。でも、スパイスカレーの名誉にかけて言いたい。本来スパイスカレーは太るような食べ物ではなく健康的な食べ物なんですよ！！

リ　そうなんですよね。アンチエイジングにもいいし。

ト　スパイスカレー屋は、添加物を絶対使わないとか、素材にこだわってる店多いですし。でも、結局食べ過ぎたら太りますからね……。

リ　スパイスの影響で食欲は増進されますしね。僕は食べる量を減らすっていう考えはなくて、健康的にたくさん食べて体型をキープしたいんです。

ツ　それを実践してるからすごい。

ト　カレー以外は何を食べてるんですかね？

ツ　朝は卵ご飯とか、パン食べたり、プロテインだけって日もある。夜は普通の和食が多いかな。

リ　僕は、朝はあまり食べないです。スムージーだけとか、チョコレートだけとか。昼はカレーか［いきなりステーキ］。あと僕、お酒は飲めないんですよね。ただスイーツは好きなので、昔ながらのプリンとかチーズケーキとかよく食べます。

ト　Rinさんはスイーツ男子な部分とストイックでマッチョな部分のギャップがすごい。Instagramのカレーの紹介文見ても女子力が高くて感心してます。「美肌成分のアスタキサンチンが豊富な鮭、大好き〜」とか……。

リ　いつまでも若々しく元気にカレーを食べ続けていたいですからね！

ト　私たち、なんでこんなにカレーを愛してしまったんですかね（笑）

ツ　僕ね、そういうの考えたことなかったんですよ。いつの間にかカレーの血が流れていたというか、なくてはならないものになってた。

リ　僕もそうですね。

ツ　みんながSNSで情報を探して、インターネットでつながって、イベントで実際に会ったりして。カレーを食べ始めた頃は想像もしてなかったけど、カレー仲間との出会いでどんどん世界が広がっていったんですよね。

ト　「カレー事情聴取^※」とか北堀江の［CAVE Gallery］で営業してた頃の［ハマカレー］がカレーマニアの情報交換・出会いの場になってましたよね。カレーをアテに軽くお酒を飲める場所っていうのが良かった。

リ　僕もよく行きましたねー。軽いオフ会になって楽しいんですよね。

ト　私は大阪に移住して友だち0人からのスタートだったけど、カレーとSNSを通じて一気に仲間が増えて……。東京で同じようにカレーをSNSに投稿しても、こんな風にはならなかったと思うんです。そこは、大阪のコミュニティの狭さと、人と人との距離の近さが関係してるんだろうな。

ツ　そういうのはあるかもね。

ト　そういう意味では、私、カレー仲間のほとんどをツジやんに紹介してもらったんですよ！世話焼きっぷりが半端ないよね。それも大阪っぽい。

リ　僕もツジやんに色んな人紹介してもらったな。

ツ　そうだったっけ？確かに紹介癖はあるけど、僕はきっかけを作るだけで、そんなに世話焼いてるつもりはないけどね。その人とその人の周波数が合わなそうだったら紹介しないし、直感でやってるからあんまり覚えてないんだよなぁ。

ト　ツジやんはカレーブロガーのTAKさんと一緒にカレー仲間の飲み会とかカレー忘年会とか主催してたけど、幹事やるのも大変でしょ？

ツ　昨年の忘年会は大変だったね。120人くらい集まったんじゃないかな？あれも頼まれたからやったんだよね。TAKは大阪のカレーシーンにとって重要な人物で、彼を前に出すことでコミュニティが広がりを見せるから、意識的に補佐してる。彼一人だけじゃフォローしきれないところたくさんあるだろうから。

ト　なんなんですか、その愛（笑）。もうね、今日は2人のカレーに対する愛が深すぎて。

リ　でも、本当に愛なんですよね。スパイスカレーが一番作り手の性格とか人間性が出ると思っていて。そこがスパイスカレーの魅力です。

ト　［バガワーンカレー］の馬越さん、テイクアウトカレーの帯もRinさんのために用意してるでしょ。料理や素材に対する愛も感じるけど、お客さんひとりひとりを大事にしてますよね。

リ　そうなんですよ。

ト　カレー屋とそのファンという関係を超えてお互いリスペクトしてる感じ。愛を食べてるみたいな気持ちになりますよね。食べたら幸せになるし、エンターテイメントとしても楽しませてくれる。

ツ　大阪のスパイスカレー屋とお客さんは健全な関係だなと思う。

ト　私、カレー屋に絶対悪い人はいないって思ってますからね（笑）。しかし、今回の連載は「カレー屋へのラブレター」というテーマもあって、3回に渡ってカレー愛を語りまくって来ましたが、今回は若干引くほど愛が深すぎた……。最後に伝えたいことありますか？

ツ　いやー、アフターコロナ、ウィズコロナの世界でSNSとの関わり方、人と人のつながり方も変わってくると思うけど、スパイスカレーに関しては、SNSで情報拾ってる人たちとそうでない人の温度差がまだまだ大きい。「カレー村」の枠から飛び出して欲しいし、僕ももっとPRしていきたいですね。

リ　僕ももっともっとカレーの魅力を伝えていきたいです。

ト　ありがとうございました（涙）