祇園 にしむら
西村元秀さんの
超簡単!
鯖の煮付け

寺下光彦

外出自粛で俄然面白くなってきた家メシに食傷気味のアナタのために、7月1日発売予定の本誌『Meets Regional』から、初心者でも作れる簡単&絶品レシピを先にお届け!

第2皿目は、祇園を代表する名割烹[祇園にしむら]の店主・西村元秀さんが魚にほぼ触れることなく完成してしまう魚料理!?をご紹介。
気に入れば、7月1日発売の『Meets Regional』もぜひ。

材料(3人分)

・鯖(中サイズ)半身 ※スーパーで売っているパック入りのもの。
・醤油 60ml
・日本酒 50ml
・砂糖 20g
・ショウガ 1個
・九条ネギ 1/2本

レシピ

1:鯖が入ったパックごと下ごしらえに使う。ラップ端に、100円玉2個分ほどの穴をあけ、そこから中に水を入れて軽く振り、水を捨てる。この作業を5,6回繰り返して、鯖の臭みをとる。

2:鯖をパックから出し、1/3ずつにカットする。カットはキッチンバサミでも可。

3:フライパンに鯖を入れ、鯖が浸かるぐらいの水を入れて強火で煮る。

4:3に、日本酒と薄く輪切りにしたショウガを入れる。ショウガは皮むき不要。

5:煮立つとアクが出始めるので、お玉でアクをこまめに除く。

6:アクを取り切ったら、砂糖と醤油を入れる。

7:クッキングペーパーで、落とし蓋をする。そのまま中火で10分少々煮る。

8:ときどき鍋を動かしながら、煮汁に照りが出るのを待つ。

9:3cmの長さに切った九条ネギを入れ、ネギに軽く火が通ったら完成。

魚にほとんど
触らなくてもできる、
ふっくら煮付け。

みんな、深く考えすぎなんですよね、料理のこと。今日は、こんなに簡単にできる料理もあるのか!と思ってもらえる一品を選びました。魚は生臭いのがが手につくから苦手……といった人でも大丈夫。魚に触るのは最低限でできる煮付けです。所要時間もたった20分少々。
ポイントは3つ。
その1、パックのラップに穴をあけた状態で、鯖をよく水洗いして臭みをとること。この方法だと、魚を触らずに洗える訳です。画期的?そう、まさにその通り。
その2、煮込む時に出るアクをまめにすくい取って、常に煮汁をキレイにしておくこと。
その3、昆布と鰹の出汁がなくても大丈夫。煮付けは出汁をとるのが面倒ってイメージがあるけど、醤油、日本酒、ショウガだけで十分味が決まる。ま、昆布があれば、煮る際に少し入れてもいいと思います。日本酒も「いっぱい入れないとダメ!」って言う人もいるけど、今回ぐらいの量でも十分味が決まるんですよ。家庭向きでしょ?
そして、重要じゃないように思えるかもしれないけど、仕上げに入れるネギは大切なアクセント。このネギの苦みと香りが、鯖の脂っ気といいコントラストになるんです。レシピを見ると、砂糖をこんなに入れるの!? と思うかもしれませんけど、ビビらず入れてください。この砂糖が煮詰まっていく過程で煮汁に美しい照りが出て、美味しくなります。
この煮付けの作り方を一度覚えたら、次は鯛でもヒラメでもアジでもなんでも応用可。当然、日本酒にも焼酎にもビールにも合うし、ご飯も進む。魚の煮付けは素晴らしい日本の智恵です。
今まで煮付けが億劫だった人も、このレシピならトライしてもらえるはず。ぜひ試してみてください。

店舗情報

祇園にしむら

[京都・祇園]

おまかせ懐石のみ13,000円~。名物、鯖寿司3,780円(12貫)や、穴子寿司3,240円はテイクアウトやお取り寄せでも全国的に人気。

京都市東山区祇園町南側570-160

電話番号:075-525-2727

営業時間:17:00~20:00LO

定休日:日

取材・文:寺下光彦
写真:福森クニヒロ
企画・編集:松尾修平
校正:平山 靖子(おかん)

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