ブックタイトルkansai_menlife

概要

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44カドヤ食堂［大阪・西長堀］　霧島高原黒豚や和歌山御坊の生醤油などの素材力と、その緻密な組み立てが行列を生む。ワンタン、つけそば、弟子の奥村元気さんが調合したスパイスのカレー中華そばなど、奇抜ではないのに個性がちゃんと光るイケ麺揃い。地下鉄西長堀駅から西へ徒歩4分。名古屋コーチン玉子かけ御飯320円、黒豚めし450円も。-------------------------------------------------------------●大阪市西区新町4-16-13 キャピタル西長堀1F　206-6535-3633　11:00～15:00　18:00～22:30（売り切れ次第終了）　火曜休　近隣に有料Pありなにわ筋地下鉄千日前線西長堀西区役所地下鉄長堀鶴見緑地線長堀通土佐公園　「いい材料を使わんと面白ないでしょ」と、旨みの探究を続ける店主・橘 和良さん。素材の持ち味をいかに余すことなくスープに抽出するか、がカドヤイズムとでも言うべき考え方。通常、動物系のダシをとる際、丸鶏や鶏ガラなどは下ゆでするものだが、「旨みを逃してしまう」と全ての血合いや血管などを手作業で掃除する。今福鶴見から当地へ移転して以来の自家製麺も、現在は「春よ恋」の味と香りに魅せられ、取材当日も試作のまっただ中だった。そして中華そばファンのために、鶏と豚のみのスープに、かえしを使わず醤油だけで仕上げた〝裏中華そば?も製作。屋台の味を元に、極限まで質を高めることにひた走る。　行列店となって久しいが、初心者にこそ食べてもらいたい中華そば。味の進化も箸も「止まらん味」に、ついて行くしかなかろう。手間を惜しまぬ至高の一杯、初心者こそ知るべき味。大量の鶏が掃除を待つ。裏中華そば930円（メニューにないがオーダー可）はワンタン皮入り。ちなみに製麺は現在も橘さん自らが管理する。中華そば830円。じわりと麺の小麦も溶け出していき、徐々にスープがまろやかに。さらにルーツの播州に近い煮干し中華そば780円。16帰ろう。中華そばのもとへ。ダシや製麺、具材に調理方法まで、行くとこまで行った感のあるラーメンの世界。温故知新の精神で理想像を追い求める、その中でもあえて中華そばを目指す店の信念を、いざ拝食。取材・文／曽束政昭　写真／藤田晃史カドヤ食堂