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概要

the_meshi

こひら・やすこ 京都と東京で「小平泰子料理教室」を主宰する料理家。著書に『京都おかず菜時記』(小社刊)がある。「幼い頃からの定番です」取材・文…吉田志帆写真…大島拓也 少女時代、錦市場での買い物の後に、母親に連れられて?トラモント?に立ち寄るのが「いつものコース」だったという小平さん。「当時の私にとって、オリーブの入ったピリ辛のトマトソースは大人の味。憧れの想いと共に食べていました」という娼婦のスパ(プッタネスカ)は、今でも定期的に食べに訪れる大好物のひとつだ。パスタというと中心に芯を残したアルデンテが常だが、こちらでの呼称はスパゲッティで、麺も少しやわらかめ。「京都のおうどんにも似たやわらかさでしょ。初めての方は驚かれるかもしれませんが、これがソースとよく絡むんです。麺とだし(ソース)の調和が京都らしいと思いませんか?」。 料理家の小平さんが感じる〝京都らしさ?はソースにも。「例えば東京のコクに対し、京都は旨みの文化。ここのソースも同様で、塩や小麦にも潜む旨みを最大限、引き出している。だからシンプルだけど奥深い味わいなんですよね」。元喫茶店という日常の延長にある空間もスパゲッティの世界観とマッチしていて、なんだかとても居心地が良い。「ほっとする感じもここのいいところかな」。京都の食文化が育んだ、ご当地麺。お腹が空いたら即食べられる、これもひとつの京料理だ。16小平泰子さん 料理家ソースに絡む、やわらか麺。旨みを重ねた京都スパ。→トラモントの娼婦のスパ120