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概要

the_meshi

く御飯は、だしを丁寧にひくのはもちろん、具のコンニャクや揚げを米粒のサイズに合わせてカット、味なじみを整えるという丁寧な仕事が効いたもの。初来店時から服部さんを虜にしたカレイの煮付も、注文があってから小鍋で煮つける逸品。汁物もその質実さで…というのだから、なんと至福の一食か。 実は日々の食事こそが、適当に片付けられないものである、と服部さんは力説する。「ふと考えたんです。今、両親と食事するのって盆と正月の二回だけ、するとあと20回ほどしか機会がないかも…と気付いたとき、目の前の一食一食を無駄にしたらアカンと思えた。ここは空間も会話も含めて『良い時間を過ごすヒント』にあふれた場所ですね」。大黒[ 難波] 池波正太郎氏が愛した名食堂には、食物を司るえぇ顔の大黒様があちこちに。110年以上続く味を「変えるわけにはいきません」と力強く店主・木田節子さん。●大阪市中央区道頓堀2-2-7206-6211-110111:30~14:3017:00~19:30日・月・祝休御堂筋松竹座地下鉄御堂筋線なんば駅なんば駅大阪難波駅近鉄難波線地下鉄千日前線道頓堀川なかがわ・かずひこ〝ベストセラーを置かない本屋?の主人であり、大阪きってのチャーミングオヤジは「えぇ格好しぃな店が苦手」。はっとり・しげき全国の衣食住を旅する大阪の論客。中川さん曰く「ほんまにおいしそうに食べはるから、一緒の食事が楽しい」。取材・文…廣田彩香写真…エレファント・タカ 「クライアントさんにご飯へ連れて行ってもらって、それがテキトーなお店だと、長く関係が続かないことが多いんです。生き方が違う、ぐらいのことを感じてしまうので」とは服部さん。連れだって海外出張に行けば、車をわざわざ40分も走らせてオーガニックのラーメンを啜りに行くなど、めしへの向きあい方や考え方が近いこともあり、年齢は違えど急接近したおふたり。そして、自ずと選ぶ店も「お店の人の生き方の波長が、自分たちに合うお店になるんじゃないかな」と言う中川さんが、「服部さんも絶対好きやで」と確信して手を引いたのがこの老舗食堂だった。  明治35年(1902)から掛かる暖簾をくぐって座るのは、それぞれがゆっくりと食べる時間を噛みしめる相席の白木テーブル。名物のかやかやく御飯は中450円、女性は小400円でも十分。汁物は300円~。魚や小鉢もぜひ一緒に。(左)「中川さん、俺カレイ、イッていいですか?」。身がほどけていくカレイの煮付600円。(右)「カシワが入らないので濃いめ」と、利尻の昆布などを使った二番だしで炊く。99