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日本酒格付けYASUMASAYOSHIMURAKOICHIIZUKAWA16奥能登の白菊純吟 無濾過火入れ 独特のクリーミーな、ポテッとしつつ雑味のない甘さが、素晴らしい個性。まるで和三盆糖を使った高級和菓子みたいなキレも楽しい。特に女性で、ハマル人が多い。僕は、カキの昆布焼きと合わせるのが大好きですね。FINE CRU GRAND CRU PREMIER CRU?不老泉山廃純米3年熟成 山廃、酵母無添加の重厚な酒を20年も前から手掛けた偉大な先駆者です。重くて、くどくて(いい意味で)、口の悪い人には「汚い」なんて言われた酒質にやっと時代と飲み手が追いついてきたと思います。重みが深みになる味がたまりません。?王禄王禄80直汲純米 米の旨みのインパクトと、すこぶるキレの良さの両立、そのレベルの高さがどうにも感動的。米をあまり削らず、精米80%でもキレイな味。昔から全国で20軒あまりの、完璧な温度管理の酒屋としか取引しない頑固さも不変。?秋鹿/奥鹿生?純米生?悦凱陣純米無濾過山田錦 味の奥行きが、ひたすら素晴らしい。ミュージシャンが好むミュージシャンのような存在、つまり他の蔵元にもリスペクトされている1本です。酒蔵経営の常識を破る、無借金経営を長年続ける安定感もいいですね。 軽く爽やかだけど、軽いだけじゃない味。無加圧・無酸化で搾る、画期的なオリジナル「いかき取り」を開発するなど、酒造りのノイズを極力排する試みを年々成功させていて、無濾過・生原酒でも軽やかなのも驚異的です。FINE CRU取材・文/シュガール(澤中さん) 寺下光彦写真/伊藤菜々子 岩本浩伸塩崎聰 福森クニヒロ 「お酒は、その良さを量る物差しがひとつじゃない、混沌としたところが魅力なんです」と伊戸川さん。ご存じ、関西の日本酒居酒屋の先駆的名店のオーナーだ。今回のセレクトの基準は、酒の上質さだけでなく「造り手の魅力を、つい伝えたくなる蔵。20年前には認められなかったスタイルの酒質で、流行に乗らず自らの信念を貫く」という視点も重視。そんな信念の味、いただけばどれもスピリチュアルな波動さえ、魂に押し寄せる。蔵元の唯我独尊度に惚れる酒。?酉与右衛門亀の尾山廃純米生 酸がしっかりした、安定感ある酒質が好ましい。ある面で「ブレのない秋鹿」のような蔵元です。岩手県で、南部杜氏の中心地にあって、東北の酒らしくない骨太の酒質(で、西日本系の蔵元と仲良し)なのも面白い。19風の森純米大吟 秋津穂 しぼり華 爽快感、すっきり感に卓越した冴えを見せる偉大な蔵です。徹底した醸造工程の改善への試みもスゴイ。ピュアさと安定感があるのも素晴らしいです。個人的に生酒は、これだけでいいと思えるほどですね。20菊姫金劔純米 ご存じ、石川を代表する名門。石川らしい豊潤旨口で、ガッチリと筋肉質だが、格調高い酸もあり、凜と引き締まった酒質。特に田楽など、味噌料理との相性は絶妙。魅力を開かせるには、50℃以上の燗がベターです。?長珍純吟50 新聞紙 旨みと酸味のしっかりしたボリューム感が魅力。とにかく米の旨みを引き出すことに徹底している姿勢が潔い。経営者がほぼひとりで酒造りを手掛けるマイクロ蔵です。新聞紙、手書きのラベルも味わい深くて好き。?宝剣純吟八反錦 この10蔵の中で唯一、軽快さと繊細さが映える吟醸酒らしい吟醸酒。約13年前、[山中酒の店]の社長が蔵を訪問した際「まだ満足な酒ができてない」と社長に酒を飲ませなかった豪の者。もちろん今はいい付き合い。?竹生嶋純吟生 吟花(9) 昔ながらの滋賀酒らしい、旨みとほのかな甘みが冴える、〝抱擁力"の酒。湖北の〝ポッチャリした"水の力も、素直に表現されています。タンク10本ほどしかない極小蔵で田舎のオッチャンが真摯に造る姿も好きです。10 天遊琳純吟 生 山田錦 2005 燗上がりする穏やかな純米酒。ソフトで優しい口あたりがいい。大量生産していた頃の設備をひとりで操るアイデアマンで、なかなか探すのが難しい上質のスパークリング日本酒造りにも成功し、今後も目が離せない蔵。 [山中酒の店]で勤務後、2007年、満を持して谷町六丁目に[味酒 かむなび]をスタートする。長年、日本酒の魅力を情熱的に発信する若きゴッドファーザー的酒マエストロ。[味酒?かむなび]伊戸川浩一さん「大人の食中酒」としての銘酒。 11年間に渡り、上質日本酒の偉大さを発信する、キタの名居酒屋[酒や肴 よしむら]ご主人。休日は全国の蔵元に足を運び、各産地のダイナミズムにも鋭く精通する。[酒や肴 よしむら]吉村康昌さんグラン・クリュとは、ワイン用語で狭義では「特級畑」のことを意味する。広義では「最高峰」という格付けのこと。そこで数多の日本酒から、達人に今飲むべき10本を選び格付けしてもらった。?風の森アルファ タイプⅡ 純米大吟(22%)GRAND CRU① ②PREMIER CRU③⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩④ ⑤⑲ ⑳⑮ ⑯⑫達人が選ぶ、Aクラス入りはどれだ!?グラン・クリュ。蔵の信念を貫く気概の味に惚れる。GRANDCRUGRANDCRU12白鴻純米70 おとなしさが逆に魅力。野球なら、4番が振り回す感じじゃなく、頼れていつもいい仕事する6番バッターみたいな存在感。こんなお酒が広まると、さらに居酒屋の良さが成熟すると思う。是非、塩焼きの焼き魚と。 「酒単体だと派手ではないんだけど、食事と合わせることで、なんともいえない良さが伝わる酒が好きですね」と吉村さん。続けて「昔は濃くてインパクトある酒が好きでしたが……、酒の好みは時と共に変わりますね」と微笑む。「最近は、ものすごく美味しい酒はいらない。突き 米の味を引き出す力量が格別。〝奥鹿"は熟成酒ヴァージョンで、60℃ぐらいの熱燗にした時の味の重層性と奥行きは異次元の域。収穫量が通常農法の半分でも無農薬、無施肥の自社での米作りの貫徹も、畏敬すべき。12