ブックタイトルginza_west
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ginza_west
012 テーブルクロスの白色は、ウエストの折り目正しさをとてもよくあらわしている。 しかし、コーヒーが運ばれてきて、卓上に置かれると、その折り目正しさから醸し出されるいくばくかの緊張感が、ちょっとほぐれる。 コーヒーカップの受け皿の輪郭が、ゆらいでいるからだ。あえていうならば丸と三角のあいだの形だ。例えるならば、はまぐりなどの二枚貝を思わせる。あるいはおにぎりかなあ、そう思っていたら、ウェイトレスたちのあいだでもおにぎりみたいだと言われていると知る。カップを持ち上げてみるとそれがよく分かる。いつもこの形を確かめては、ああやっぱりウエスト、と、妙に安心する。 コーヒーのお供である、ステンレスに銀メッキをした砂糖入れやミルクピッチャーもぴかぴかに磨かれていてかっちりとした印象を受けるが、この受け皿が卓上をずいぶん柔らかくしていると私は思う。 依田龍一さんのお父さん、友とも一いちさんがウエストを取り仕切っていた頃、40年以上前からずっと使われている受け皿のデザインは、ウエストのオリジナルのものとして、型を起こすところから注文したものかと思いきや、当時あった既製品にウエストのマークを入れたのだ