ブックタイトルchez_panisse
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9ファニーという女の子がとしの離れたパニースさんと結ばれる、その映画を見るたびにママは感動して、泣いたり、笑ったり。わたしもママを笑わせたり、泣かせたりできるけど、それとはちょっとちがうんだなぁ。シェ・パニースは、外から見るとふつうの家のよう。2階はカフェで、1階がレストラン。どちらの階にもキッチンがあって、レンガづくりのオーブンや、たくさんの調理台、そして12個の鍋がいちどにかけられるおおきなガス台があります。まだちいさかったころ、ママはよくわたしをからっぽのスープ鍋のなかにちょこんとすわらせたっけ。わたしはベビーサークルのなかにいるような気分で、鍋のへりに手をかけてキッチンをながめていたわ。すると、だれかしら鍋のそばを通ってはおいしいものをくれるの。メアリー・ジョーはイチゴ、ペギーは小粒のグリーンピース…ってね。でも、トムだけは別。けらけら笑いながらわたしのおしりをつねっていく(これは頭にきたなぁ)。たいくつすると、鍋ぞこにかくれてママを困らせたり、ワァーッと顔をだして、だれかをおどかしたりしたものよ。