ブックタイトルsoda_kyoto_sumou
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12票。ルームマーケットへの手数料の伝票。登記費用および池田さんへの手数料の伝票。 書き終えた私が「振込の伝票を書きましょう」というと、平野さんは「いりません」といった。 「えっ。でも支払いが」 「今日は現金です」 「全額現金なんですか」 「そうです」 びっくりした。不動産取引はその場で相手先の口座に振り込むか、預金小切手をつくるものだと思っていた。 「現金じゃ、もしもひったくりに遭ったらおしまいじゃないですか」 「そう。だから皆さん現金だと気づかれないよう、ゴミ袋に入れてます。ゴミ袋に入れてぶら下げて歩いてますわ」 ほんまかいな。 伝票の処理を待つ間、売り主さんと世間話をした。 私たちが買った家は築年数不明の古い町家なのだけれども、売り主さんはほとんど使わなかったらしい。子どもを御5所南小学校に入れるために校区のこの家を入手したものの、同志社の附属小学校に通うことになり、使わないまま手放すことにしたとか。「孫を同志社の附属小学校と、ノートルダムの幼稚園に送っていくのが私の仕事なんですよ」と売り主さんについてこられたお母さん(もしかするとお義母さん)がいう。